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眼科のまめ知識
糖尿病による網膜症

糖尿病は、発病初期にほとんど自覚症状がないため軽視されがちですが、全身に及ぶ合併症をひきおこす油断できない病気です。特に三大合併症と言われる「網膜症」「腎症」「神経障害」は、発症頻度の高い重大な慢性疾患です。

■糖尿病で目が悪くなる?

目の奥には網膜があり、そこには多くの毛細血管が分布しています。糖尿病になると血液は糖分を多く含み、粘性が高いため、毛細血管をつまらせたり血管壁に負担をかけます。そのために網膜に酸素や栄養が不足し、『網膜症』となるのです。
また、糖尿病による目に関わる合併症として、網膜症の末期的段階に発病する「緑内障」、水晶体が濁る「白内障」、角膜に障害が生じる「角膜症」、眼球が自由に動かなくなる「眼筋麻痺」があります。

■まさか自分が…、あまい認識はいけません
「網膜症」は本人も気づかないうちにジワジワと進行するたちの悪い病気です。一般に糖尿病を発病して約10年で、患者のおよそ半分が「網膜症」を合併していると言われ、毎年3,000人もの人が糖尿病網膜症によって失明しており、現在わが国における成人の失明原因の第1位となっています。
また、内科における血糖値のコントロールが上手く行われていても、「餅は餅屋」という言葉があるように、目の合併症に関しては眼科で検査を受ける必要があります。糖尿病で内科を受診していても安心せず、網膜症のない人でも1年に1度は、眼科での精密眼底検査をおすすめします。

■網膜症の治療法

網膜症は、進行の過程にしたがって、単純網膜症、前増殖網膜症、増殖網膜症の3段階に分けられます。症状が軽いうちならば、治療に要する時間は少なくてすみますので、早期治療は精神的にも経済的にも負担が軽くてすむのです。

   

◎単純網膜症
    内科的な血糖のコントロールが治療の第一。
    止血剤や血管拡張剤などの内服薬も投与して経過観察を行います。

   

◎前増殖網膜症
新生血管の発生を防ぐため「レーザー光凝固術」を行います。
この時期を逃さないことが治療のポイント。
この治療は入院せずに外来で出来ます。

◎増殖網膜症

この段階まで進行すると「レーザー光凝固術」での治療は難しく、外科的な手術が行われます。硝子体の濁りや網膜剥離は60~70%が治りますが、完全な視力の回復は難しいのが現状です。


■今回のアドバイス
網膜症は初期の段階では、自覚症状がほとんど現れないことから、眼科を受診しないケースが少なくありません。しかし自覚症状が出てからでは手遅れのことが多いので、糖尿病と診断されたら必ず眼科で検査を受けてください。また、網膜症やその他の合併症の予防は、血糖コントロールが基本です。それには、健康な人よりも一層健康的な生活をすること、すなわち自己管理が欠かせません。


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