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眼科のまめ知識
涙(涙道と涙腺)に関する病気

涙を作っているのは、主に上まぶたの耳寄りにある「涙腺」というところです。
瞬きをしたときや目に異物が入ったときには、角膜や結膜が受けた刺激が涙腺に伝わり、反射的に涙が分泌されます。そして人は、起きている間、無意識に瞬きを繰り返していて、涙がつねに分泌されています。
では、常時分泌され続けている涙がなぜ目からあふれ出ないのでしょうか。それは、分泌された涙液が「涙点(るいてん)」から吸引され、喉へと流れ出ているからです。この涙の排出経路を「涙道(るいどう)」といいます。

■涙の分泌と排出のバランス
角結膜に広がっている涙の量は、ごく少量です。涙の量が多ければ目からあふれてしまいます。反対に少なすぎると、角結膜はすぐ乾燥してしまいます。
つまり、涙が目からあふれ出ず、しかも角結膜が乾かずにいつも潤っている状態は、絶妙なバランスの上に成り立っていて、それを可能にしているのは、涙の排出量をコントロールする仕組み、導涙(どうるい)機能です。導涙機能は加齢とともに低下します。それには、目のまわりの筋力が弱くなることなどが影響しています。

■まずは涙の分泌量を調べます
涙道からの涙の排出が少ないと、涙がこぼれる「流涙(りゅうるい)」という症状が現れたり、目ヤニがたくさん出たりもします。このようなときは最初に、角結膜に涙の分泌を刺激するような傷などがないか確認し、続いて涙の分泌量を調べます。
「涙がこぼれるくらいだから、分泌量は多いはずでは?」と思うかもしれませんが、必ずしもそうとはいえません。涙が少ないため、涙道にゴミが溜まったり、角結膜が傷つき眼痛などの催涙刺激が加わった結果、流涙が起きているかもしれないからです。
涙道の状態を調べるには、通水検査(涙点から涙道に水を入れ、水がきちんと鼻側に流れるかを確認する)などを行います。

■おもな涙道の病気
◎鼻涙管の閉塞や狭窄(きょうさく)
先天的または後天的に、鼻涙管の一部に閉塞や狭窄(狭くなること)が起きる病気です。先天的鼻涙管閉塞は新生児によくみられますが、成長とともに自然に治ることがあります。自然に治らない場合には、金属の棒(ブジー)を涙点から挿入したり、ヌンチャク型シリコーンチューブ(武術で使うヌンチャクのようなかたちのチューブ)を留置して治療します。
後天的鼻涙管閉塞の多くは原因不明ですが、感染や炎症などが原因となることがあります。
◎涙嚢炎
涙嚢に起きる炎症のことです。たいていは鼻涙管閉塞・狭窄がもとになって発病します。涙が涙嚢に溜まり、そこに細菌が住みつきやすくなるのです。
慢性のときは痛みはないのですが、目頭のあたりを押すと、涙点から膿が出てくることがあります。治療と同時に、抗生物質の点眼・服用、涙嚢の洗浄などを行います 。
◎そのほかの病気
涙小管や涙点が閉塞する場合もあります。原因不明のことが多いですが、感染や炎症、外傷などが元になって発病することがあります。
涙小管の中に石ができ、目頭の部分が腫れて、一見ものもらいのように見えることもあります。この場合、涙小管を開いて石やその刺激でできた腫瘍を取り除き、涙小管を形成する手術を行います。
このほか非常にまれですが、涙道にガンができることもあります。

■今回のアドバイス
涙の分泌量は、下まぶたに溜まっている涙の深さを計測したり、目に綿糸や濾紙を挟んでその濡れ具合を調べるなど、いくつかの検査を組み合わせた精密涙分泌テストを行うことで、涙の量や質がどのような状態にあるか、病気であるかなどを正しく知ることができます。
気になったら、まず専門医での涙の量のチェックをおすすめします 。


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