人の目は、よくカメラにたとえられますが、カメラのレンズに相当するのが水晶体です。水晶体は凸レンズの形をしていて、膜(嚢)に包まれて、この膜の前面が「前嚢」、後面が「後嚢」と呼ばれています。一方、水晶体の中身は、透明な組織でたんぱく質と水分から構成され、「皮質」と「核」にわかれています。
正常な水晶体は透明で、光をよく通します。しかし、さまざまな原因で水晶体の中身のたんぱく質が変性して、濁ってくることがあります。これが「白内障」です。
水晶体が濁ると、光がうまく通過できなくなったり、光が乱反射して網膜に鮮明な像が結べなくなり、視力が低下するのです。
■白内障の原因
白内障はさまざまな原因で起こりますが、最も多いのは加齢によるもので「加齢性白内障」と呼んでいます。個人差がありますが、誰でも年をとるにつれ、水晶体は濁ってきます。加齢性白内障は一種の老化現象ですから、高年齢の人ほど多く発症します。
最近では、アトピー性皮膚炎や糖尿病などの合併症として、若い人の発症が増えています。
その他、母親の体内で風疹に感染するなどが原因で生まれつき白内障になっているケースや、目のけがや薬剤の副作用から白内障を起こす場合もあります。
◎白内障の種類と原因
白内障の種類 |
原 因 |
加齢性白内障 |
加齢 |
全身疾患に合併する白内障 |
アトピー性皮膚炎、糖尿病など |
先天性白内障 |
風疹など |
外傷性白内障 |
目のけが など |
併発白内障 |
ぶどう膜炎など |
その他 |
放射線、薬剤(ステロイド剤) |
■白内障の症状
白内障では目の中の水晶体が濁ることにより、視力が低下します。水晶体の濁り方はひとりひとり違うため、症状はさまざまです。濁りは、水晶体の周辺部(皮質)から濁りが始まることが多く、中心部(核)が透明であれば視力は低下しません。濁りが中心部に広がると、「まぶしくなる」「目がかすむ」ようになります。中心部(核)から濁り始めると、「一時的に近くが見えやすくなる」ことがあり、その後「目がかすむ」ようになります。
白内障だけでは痛みや充血はなく、主な症状としては「目がかすむ」といったものですが、次のような症状があれば白内障の疑いがあります。
●かすんで見える
●まぶしくなる、明るいところで見えにくい
●一時的に近くが見えやすくなる、眼鏡が合わなくなる
●ものが二重、三重に見える
■白内障の治療と手術
日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬や内服薬により、白内障の進行を遅らせます。(これらの薬剤は、水晶体が濁るスピードを遅くするもので、症状を改善したり、視力を回復させることはできません。)
白内障が進行して、日常生活に不自由を感じるようであれば、手術を行います。白内障以外の病気がある場合は、手術方法を工夫したり、全身状態をみて手術の時期を決めます。手術を考える時は、医師とよく相談しましょう。
白内障の手術を受ける前には、手術が問題なく行えるかを調べ、目に合う眼内レンズを選ぶために、さまざまな検査を行います。眼内レンズは一ヵ所にピントが固定されているので、手術前検査で自分のライフスタイルに合った度数を選んでもらうことが大切です。
一般には、手術後の管理も含めて3〜4日間ほどの入院を要しますが、当院では
日帰りの手術を受けて頂くことが可能です(つきみ野医院と新羽医院で受付)。最新鋭設備の導入と豊富な経験で、驚くほどの短い手術時間と、術後のわずかなご休憩でご自宅にお帰り頂けます。【白内障の手術内容をFlashでご説明しています】
※日帰り白内障手術を行うにはいくつかの条件があります。手術を希望される方はご相談ください。
■今回のアドバイス
手術は局所麻酔で行われます。手術時間は目の状態にもより異なりますので、お尋ねください。手術を受けるときは、不安にならずに精神的安定を心掛けましょう。
目の手術というと怖いイメージがありますが、白内障の手術は進歩し、材質のよい眼内レンズも開発されているので、安心して手術を受けてください。
また、白内障の手術後、数ヵ月〜数年して、再び「まぶしくなる」「目がかすむ」ことがあります。これは、「後発白内障」といわれるもので、手術の際に残しておいた水晶体の後嚢が濁ってくるために起こります。後発白内障は手術の必要がなく、レーザーを使って簡単に濁りを取ることができますので、視力はすぐに回復し入院の必要もありません。 |