眼瞼下垂の治療について
この手術は,まぶたの開き具合を改善するための手術です。あくまでも医学的に保険適用が認められる機能改善を目的としており、整容・美容目的ではなく、ご希望の容姿に沿えないことがあります。
まぶたの開きが悪い場合,おもに以下の5つのことが考えられます。
・まぶたを持ち上げる筋肉(上眼瞼挙筋)が弱くなっている場合
・筋肉の膜(上眼瞼挙筋腱膜)が外れている場合
・上眼瞼挙筋腱膜が伸びてしまっている場合
・皮膚の弛緩により視野が狭くなっている場合
・先天性に上眼瞼挙筋の形成不全がある場合
眼瞼下垂の原因や,残存する上眼瞼挙筋の機能によっては手術後の改善具合に限界がある場合があります。ただし,術前と比べて全く改善していないことはほとんどありませんのでご安心ください。
まれに目の開き具合に左右差が出る場合があります(特にもともと左右差がある方)。これはまぶたを動かす神経の作用によるもの(ヘリング徴候)で,手術中には改善しない場合があります。術後3か月ぐらいの経過で左右のバランスが良くなってきますが,著しい差がある場合には再手術が必要な場合があります。
手術後は以前の状態に戻ろうとする力が働いてしまうので、よりよい状態を持続させるために、手術直後は効果が大きく出ることがあります。
手術後の経過について
1.手術後はまぶたに(時には下まぶたまで)腫れを認めます。皮下出血という紫色の斑点が出来る場合も少なくないですが,強い腫れは1週間,皮下出血は2週間程度で改善してきます。手術後、麻酔がきれてから痛みが出てくる場合があります。
2.手術後の洗顔は,手術後初回診察後より可能です。
3.ごくまれではありますが傷口に血がたまってしまう術後血腫という状態になる場合があります。その場合は局所麻酔を行い処置(血腫除去,洗浄)が必要な場合がありますので医師の指示に従って下さい。適切に処置を行えば問題ありません。
4.抜糸は術後5〜7日目の間におこないます。
5.抜糸後からまぶたのメイクは可能です。まぶた以外のメイクは手術後初回診察後から可能になります。
6.抜糸までの入浴は腫れを少なくするために,熱い浴槽につかるのではなくシャワーの方が好ましいです。
7.スポーツや温泉などは原則として手術から2週間以上あけて頂くようお願いします。